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親族外株主等が多数存在する場合の自社株の強制買取

事業承継を進めるにあたって、親族外の株主、特に会社に敵対する株主や会社に協力的でない株主、あるいは音信不通になっている株主などは、できるだけ事前に対策しておきたいものです。
 このような場合には「全部取得条項付株式」を利用して、会社の発行済株式を全部を取得すると同時に、改めて後継者自身や後継者等の協力的な株主に出資をしてもらう方法をとることが考えられます。
  
●全部取得条項付株式について
「全部取得条項付株式」とは、会社が株主から強制的に自社株を買い取ることが出来る種類株式で、会社が株主総会の特別決議を行えば、その種類株式を持つすべての株主からその種類株式を買い取ることができます。
  
●全部取得条項付株式の発行方法
「全部取得条項付株式」を利用するには、まず定款を変更して「全部取得条項付株式」を発行できる会社になる必要があります。その上で、株主総会を開催し、現在発行している全株式を「全部取得条項付株式」に変更し、「全部取得条項付株式」を全株会社が買い取る議案と、新たに後継者に新株を割り当てる議案を2/3以上の賛成で可決し、実行に移します。
  
 全部取得条項付株式を有効利用することで、結果として、旧株主は一掃され、新たに出資した後継者と後継者に協力的な株主だけが会社の株式を持つことになりますので、後継者は一気に会社の支配権を取得することができます。
 そのため、親族外株主等が多数存在する場合の事業承継にはとても有効な「全部取得条項付株式」ですが、以下のような留意点も存在しますので、実行前に充分な検討が必要となります。
  
1.買取株価
税理士や公認会計士等の専門家に適正な買取価格を算定してもらう必要があります。買取価格が適当でない(会社に有利な場合等)と株主が判断した場合は、株主総会から20日以内に裁判所に対して、価格決定の申し立てを行うことができるからです。
 
2.財源規制
「全部取得条項付株式」の取得は、発行会社による自社株の取得ですので、会社法上の財源規制があります。いわゆる、会社法上の分配可能額の範囲でしか、自社株の取得は行えません。そのため、事前に分配可能額を確認しておく必要があります。

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