ブログ

事業承継目的の持株会社の作り方

最近、私どものお客様の中でも、事業承継目的で持株会社を作られる方が増えてきています。今回は、事業承継目的の持株会社(ホールディングス)設立方法についてお話します。

持株会社とは、既存の事業会社の株式を保有することを目的とした会社であり、いつくかのスキームがありますが、今回は持株会社を利用して既存事業会社の発行済株式を全額買い取る方法をご紹介します。
  
★後継者が設立した新会社が既存の事業会社の株式を買い取る
 親族関係が複雑であるため、オーナーが所有する自社の株式を後継者に贈与すると、他の兄弟への相続分とに不公平感が生じ、トラブルが発生する可能性がある場合には、後継者が対象会社の株式を買い取ることがベストです。
 しかしながら、大抵の場合、対象会社の株式の時価は額面の数十倍になっており、個人で簡単に出せる金額ではありません。
 そこで、後継者が100%出資(資本金は100万円程度でも可)して新会社を設立し、その新会社が既存の事業会社の株式を現オーナーから買い取るという手法をとります。

★事業承継目的持株会社設立のスキーム
 新会社は買取資金を、現オーナーもしくは既存の事業会社、あるいは金融機関から調達し、その後、毎年100%子会社(既存事業会社)から配当を受けます。
 平成22年の税制改正により、100%子会社からの配当について、法人税等は課税されず、配当金全額が持株会社の手元に残りますので、持株会社はその資金を原資に、毎年、分割して借入を返済すればいいのです。
 なお、現オーナーは自社株を持株会社に譲渡することにより、譲渡所得が発生しますが、この所得は20%(所得税15%、住民税5%)の分離課税であり、他の所得と合算されて総合課税されることはありませんので、実効税率が40%を超えるような高額所得者であるオーナーにとって有利になります。
  
以上の手法により、後継者は持株会社の資本金を用意するだけで、持株会社のオーナーになることができるわけです。
  
なお、今回のスキームは以下の点に注意が必要となりますので、その点には充分ご注意ください。
・既存事業会社は安定した収益力があり、毎年、持株会社に配当が可能であること
・持株会社は、必ず税理士が算定した時価で現オーナーから株式を買い取ること
・持株会社に資金調達能力があること

関連記事

  1. 親族外株主等が多数存在する場合の自社株の強制買取
  2. 事業承継の前準備その3:後継者を決定する
  3. 事業承継の前準備その2:経営者自身の財産等を整理する
  4. 中小企業経営者の事業承継事前対策について
  5. 事業承継の前準備その1:会社の現状を知る
PAGE TOP